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2024/04/19

純情・愛情・過剰に異常

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「女子妄想症候群」/イチハ

「女子妄想症候群」




 『女子妄想症候群』9〜以下続刊中 / イチハ









お人形のようなハイブランドテイストの洋服をまとうビジュアル系登場人物、
初見で読めない漢検マニアに手薬煉をひねらせる特殊漢字盛りだくさんの名前、
モデルハウスのようなほこりレス!なスタイリッシュな家、
恋愛事に100%うつつを抜かせるようなセレブでひでぶな恵まれた環境、
そして、書き込みの激しいプリクラを彷彿とさせる職人魂を秘めた、
女子高生の飾り折手紙のような過剰にデコラティブな画面・・・・

全てがキラメキの。☆。少女漫画。☆。のために・・・

男前に見える身長180overのホトリ。(女)
身長約150cmの女の子に見える程の美貌の持ち主のけいし。(男)

パっと見、BL−☆?なジャケでそんな2人のデコボコ恋愛具合を
面白おかしく、ときにアヤシクみたいなコメディ路線で開始したはずが、
巻数が進むにつれ、けいしの常に不在な世界的に活躍するモデルの母親が絡み、
その寂しい家庭環境にスポットがあてられ、根幹のほとりに対する恋愛感情が
寂しさゆえの依存っ?!隣のあったか家族の愛娘ほとりへの羨望交じり?!

みたいな、最初に電車で痴漢されてるけいしを助けつつ妄想、鼻血を噴出していたほとりv
っつースプラスティック鼻血ギャグ☆とはかけ離れた展開になってきており、
それを助長させる、アタシは人と違ってクレバーなの と始末に負えないタイプの
自称系さっぱりクール女・ちはや先輩が引っ掻き回し現在2人は仲違い状態。

このねー、作者が若いからなのか、人物描写の浅さっつーのはこの人だけでなく
最近の少女漫画全般に当てはまるんだけど(花の70'時代はそれこそ文学ってたのに)

知った風な口を叩き、自分はその人の為に一切何をするわけでもないのに、
首だけ突っ込み、薄汚い下心が透けて見えてんのにそれを悟られてないかのように
さもあたしは周囲の普通の人間とは違うの、恋愛感情とかじゃなくて賢いから
純粋に知的興味なの、そしてクレバーだから見えちゃうの、アレコレ。
だから、わざわざ忠告してあげてんのよ?的な現実にもよくいるタイプの
勘違いしたイタイ女を「女から好かれるサッパリちゃんv」として描くのはどーかと・・・

この表層だけの勘違いしたウザぶりが演出ならいーんだけど、
どーも本気で「わが道を行くクレバーさん」として描いてるのがツライ。

まずATOKではすんなり変換できない漢字を好む作者らしく、
まぁ日常会話では使わない単語を使ってみたりもするんだけど、
これまた微妙に使いズレてたりして、担当何やってんだ?と思わされんのもどーかと。

まぁ惜しいトコはあれど、合間に突っ込まれるギャグは結構キレてたりして地味ぃに笑える、
貧困?何それ? 苦学生?伝説でしょ? なフワフワンとした世界で繰り広げられる、
ピンク色の花と夢の国の住民の坊ちゃん嬢ちゃんに舌打ちしながら楽しむ一品。

たまにはいーじゃない、こんな腹立つ程ぬるい世界もいーじゃない。
むしろ入りたいじゃない。 入れて欲しいじゃない。

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2007/03/14 漫画タイトル さ行 Trackback() Comment(6)

この木なんの木

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「Jacaranda」ジャカランダ/しりあがり寿
「ジャカランダ」






 『Jacaranda』ジャカランダ / しりあがり寿








すっげー気になる木!

情もドラマも、感情が入る余地の一切ない
神話や民話のような戒め感と不条理感に満ち満ちたインパクト話。

発狂水位がだんだん喉元に迫ってきてる、
黄金の国ジパング、コンクリートジャングルTOKIOで、
なんら予兆も糞もない普通の日常にポコッっとナチュラルに生えてくる芽。

アスファルトを破り、さながら涙の数だけ強くなれるよ!的
ポジティブイメージを想起できんこともない出来事から、
瞬く間に阿鼻叫喚の酸鼻極まる地獄絵図へ!

いやー自然現象の偉大な事!容赦のない事!イレギュラーな事!
半端ねぇっつーか、ひれ伏すしかねぇっつーか。
まぁ同じ土俵には上がれないか・ん・じ。

ちょっとさーお前でかすぎじゃねぇ?
みたいなサイズの木:ジャカランダが一呼吸ごとに、
勢いのいい成長期の如くすくすくと全てを破壊し育つ様ったら圧巻。

その凶事の前に、対応もできず認識すらできず
ただただ振り回され破壊しつくされる人間。

逃げ惑い、狂気に追い込まれ、パニくり、事態を悪化させるその痴態たるや醜悪!

畏怖や敬愛を置き去りにした怠惰で狂った人間社会や、
環境破壊への警告とも予兆とも取れたりする、
事象だけを淡々と綴った事で醸し出される迫力が圧倒的な残酷寓話。

最後はみんな頭を垂れてるけどさー
多分しばらくしたら焼き討ちとかするねー。 だってそれが人間だもの。

ホントのジャカランダの花


 ちなみに本物のジャカランダ。
 紫の花がウリで
 ハワイの桜とかよばれる、高貴なヤツで、
 そんな破壊神みたいな物騒なモンじゃないよ。




2006/11/30 漫画タイトル さ行 Trackback() Comment(0)

情念の滝、舞い落ちる

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「昴」 / 曽田正人

「昴」



 『昴』1〜11 / 曽田 正人







天才の熱狂を描かせたら、今や当代随一の作家・曽田 正人の青年誌連載の異色バレエ漫画。

キラキラ☆チュチュのプリンセス、細い首筋、そして白タイツの王子様vと
ファンタスティック要素がフンダンなクラシックバレエという素材で、
ここまで体液という体液がしたたって、汁気の多いモノもそうないであろう、スポ根を通り越し
もはや修行っつーか、荒行の域にまで達した感のある、でも流した汗=身につく実力ではなく、
まさにそれしかする事を許されないような「天賦の才」を授けられた
「否応なしに選ばれた者」のシャーマニクス感漂う、与えられた才能の具現化ストーリー。

双子の弟・和馬が難病に冒され、脳機能が低下していくためだんだん認知能力がなくなっていくなか、
昴は毎日、言葉だけでなく、ジェスチャーはもちろん体全部を使って思いを伝える事に血道をあげる。

いつその意識を手放してもおかしくないような人間の前で、尋常ならざる表現力を身につけ
いつしかバレエに出会い、それなしの人生はありえないというまでのめり込むという
よくある死者に先鞭つけられちゃった系の始まりから、才を持つ者の悲劇と恍惚というステージまで、
マジ、放熱しっぱなし。その熱量たるや相当なもん。

ただ、熱い漫画なら、そら燃やすほどあるけど、この作家の凄いのがその熱伝導率の高い所!

もうね、半端ねぇ燃える!見てるこっちもマジ熱い!
極々限られた、修羅の門をあけた選ばれし者だけが辿り着ける「向こう側」を垣間見えた気になるから!
共通体験なんて一切ないのに、なんか伝わるものすごさ!
ホント、熱砂のアリ地獄っつー豪腕ぶりに、ズドンと落ちる。速攻で渦中。マジで熱中。

周囲をいっさい顧みない、その妄信と猛進こそが才能なんだとまざまざと思わされ、
昴の視野狭窄ぶりとイカれぶりに中てられる、灼熱気合い漫画。

途中というか、その規格外の才能に翻弄される周囲の凡人のようにゴタっとして、
とりあえず11巻で終了してるトコがまた・・・

でるかなぁ・・・・?続き。

2006/09/07 漫画タイトル さ行 Trackback() Comment(6)

その姿獣に非ず、人に非ず



「神罰」/田中圭一「神罰」





『神罰 田中圭一最低漫画全集』/ 田中 圭一









出たっ!
人が恐れ、神聖視し、不可侵だった土地に
無謀にも踏み込む怖いもの知らずの偉大なるうつけ者!


その暴挙たるや、神をも恐れぬ傍若無人をはたらく信長の如し!
そのキラメク馬鹿さたるや、神に仕える殉教者の如し!


表紙が全てを物語るように、
漫画界の神である手塚治虫をはじめとした大御所のパロディ。


しっかも、全〜部!下ネタでチンコ・マンコ系の☆OH下品系。




もうね、もうっ!素晴らしいっ!
まさに手塚神がその右腕に降臨したかの如き、タッチのソックリさ!
キャラクターはもとより、書き文字、
おっぱいにいたるまでのその絵の再現の見事さに驚く前に、
そのシャーマンの如き画力を用いて、
作った作品がこんなにくだらない下ネタとは・・・っ!


ブラ〜ボーっ!!


その熱い思いと貫き通す信念にクラッピョーヘン!




前人未到の神の国に踏み込み、獣道を分け入り、ネタを仕込む・・・
万人が恐れ、膝を折ってきた聖地のお供え物をちょっと食べちゃう・・・


その命知らずの勇者の名は 田中!


その血に先人への愛と激しいパッション宿す、
馬鹿のチャレンジャーの名は 田中!


中表紙の著者近影でも、
つけっ鼻をしてベレーをかぶり治虫風に仕上げてる、
そのリスペクト精神・・・!!! 


最高っ!最高だよ、田中っ!!!


最高の素材を用意し、最低のオゲレツギャグで味をつけ、
陰部、局部 等、丸出しながら、
一切エロの風味を醸し出さない、その手腕!


濃厚なエロスを纏う、手塚裸を
ここまでエロスを伴わない裸体とシモーヌに変換できるその手管!


それら全てを笑いに昇華させる、その信念・・・っ!!!


もうね、もう、愛だろ、愛。




このヤンチャを見守った、
パロられた漫画家とその関係者も素晴らしい!




漫画好きなら、読むべし!


そしてこの最高の笑いをくれた英雄に、
指が飛び散らんばかりの拍手をっ!!



2006/06/14 漫画タイトル さ行 Trackback() Comment(4)

己の道を魁よ



戸塚さんが、出所しました。
戸塚さんとは、人死にが出たバイオレンスフル私塾
「戸塚ヨットスクール」という
南風を感じさせる爽やかな名前のクズ強制所の塾長であるっ!!


いやー時期尚早だったダケでね、
戸塚方式は今こそ求められてる訳で
まさに時代の寵児!荒廃しきった現代に喝!
を入れるべく呼ばれた男・戸塚さん!


とはゆっても、戸塚さんだってもーオーバー60な訳で
気力も体力も限度があるんで
死ぬまでに戸塚スキルを貫けるか、
もーヤんなっちゃって投げちゃうか?微妙な感が否めないんですが。


こんな時こそ!こんな時代だからこそ!!


ポイズン・・・YATSURAの出番じゃねぇ?


こんな不安で心もとない空気を一蹴すべく!


今こそあいつ等の降り立つ時じゃねえ?


『魁!!男塾』 /宮下あきら「魁!!男塾」



ズガダンっ!!


『魁!!男塾』1〜34 / 宮下あきら







数々の伝説と、典型と、バカと、必殺技を産み出した、
何より夢と熱さを教えてくれた、
男の中の男、必携の一代奇書!


バカの経典!


男塾塾長・江田島平八 率いる私塾「男塾」にて男を磨き、
真の漢になるべく日夜愚行を繰り返す、
バカのエリート、選ばれしオツムの弱い猛者ドモの
熱い熱い灼熱のストーリーっ!!


オツムの回線が故障してる集団ですから、
気力とか体力とかそりゃー根性とか
目に見えないけど、どっかから湧き出てくる
出所不明のパワー関係にいたっては豊富。


っつーか、なんでそーなるのっ?!ってぐらい溢れかえってる。


ってかね、つっこんだら負け!
ってなぐらい満遍なくワナが仕掛けられてるワケですよ、
例え死人が生き返ろうが(しかも1度といわず2度3度)、
なくなった人体の箇所がペロッっと復活してよーが、
少年探偵団並みのダッフンダー3なトラップに苦悩しようが、
宇宙空間をふんどし一丁で泳ぎまわろうが、
あまつさえ大気圏すら越えようが、
実は盲目だったとか、前歴不詳だとか、そもそもの存在が怪しいとか、
もーねそんな事、男だから!
それが男!だから、なぜなら男だから、気にしないっ!


荒唐無稽すら通り越して、
もはや一貫性すら感じさせるような熱でもって繰り出される、
きちがい沙汰にK・O!シビれまくりに、格好いいっ!!


登場人物全て、人外の生き物なんですけど、
一応高校生(プッ!)なんですよ、
そのティーン達が、流れついた最果ての末端学校「男塾」で
くんずほぐれつ友情の名の下に、命を賭け、
文字通り常軌を逸した拷問紛いの伝統試合とやらで
生きたり死んだり叫んだりしながら、その絆を深め、
ますます人道から外れてゆく・・・その様たるやノンストップ!


臨界点をとうに突破したバカぶり、
アホのアウトバーン暴走ぶりに、いっそ爽やかな風すら感じます。




そして最大のワナ・幻の出版社「民明書房」


どー考えてもありえない必殺技や名詞に信憑性を与えるべく
度々登場する、出典となる本の出版社。


必殺技やら、人名からもわかる様に
すべて駄洒落や当て字でギャグなのに、それに注釈をつけ
さも、リアルっぽく仕上げているというギミックに
騙された人が結構いたらしく、本気で架空の「民明書房」を探したという、
涙無しでは聞くに堪えないエピソードすら生み出した


対象年齢の読者層を嘲笑うかの如き、甘い罠。


スイートペイン。


漫画ばっかり読んでると馬鹿になるよ!
という親の説教の何倍も、ってか実際に痛い、痛恨の罠。


・・・ふふっ、流石だぜ塾長・・・


この世の事象は全て友情でどーにかなるぜ、押忍!という
どんなアッパー系を決めたらそんなパジティブシンキングになれるのか?
といった飽和した熱さと小賢しい常識なんて、ブチ破れ!
男なら出来る!といった男根主義ここに極まれり!な
スメル盛りだくさん、リンパ血液体液 大放出の雄・オス・押忍!な
リミッター振り切った熱い熱い物語。




今、日本に足りないのはこの熱さ、情熱だっ!!




なら、わしはいらねぇ!




hei8.jpg 

多分、最強の生命体である 男塾塾長・江田島平八さん


マッカーサーとはステゴロで友情を育んだ仲。


因みに名台詞、いやすでに見えない力さえ宿った感のある言の葉、
「わしが男塾塾長 江田島平八であーるっ!!」
ただの自己紹介ではなく、男塾・訓辞。
1から10を読み取る鋭いO・TO・KOを望む、
塾長の粋なはからいだと思われる。



2006/05/16 漫画タイトル さ行 Trackback() Comment(0)

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