「幸せのひこうき雲」
伝わりますでしょうか?この薄暗ぁい雰囲気。
そこはかとなく漂う闇。
この作品の全てをこの装丁が表してます。
『幸せのひこうき雲』 /安達 哲
安達氏の描く世界はもの凄く、しょっぱいです。
何をどうしたら、そんな薄暗い発想が・・・?というぐらいダークサイドを突っ走っています。
人間に根ざす「負」の面での本能が否応なしに、炸裂してます。ダダ漏れ。
そりゃーもう、目を背けてもそこにもまだ、闇が広がるっつーぐらいの濃密な暗さ。
およそ、思春期に触れたくないぐらいの濃度の濃さです。
なのに、かなり俯瞰な視点の客観性を持つため、
余計に闇が濃いので、もぅ
うへぇ。
ちょっと弱ってるときなら、浚われる事うけあい。
田舎の小学校を舞台にした本作でも、
闇はありとあらゆる所にまんべんなく、惜しみなく、ちりばめられてます。
両親の離婚に伴い、祖母に引き取られ田舎の小学校に転校してきた主人公。
有名人(今でいうセレブ)を夢見て、ソコソコまでは行ったが、
結局、現実との折り合いがつかず、夢半ばで教員になった、美人女教師。
自身の保身しか考えない、エゴ丸出しのその母親。
そして、圧倒的な「田舎」という環境(←怖)
同僚やら、生徒やら、教室やらに性、パワーゲーム、嫉妬、恋、やらが絡み、
もーエライコッチャになってます。
薄暗い闇の中、どろどろと絡んでくるような不幸があるかと思えば、
全てを押し流すような、清冽な感情があったりで心臓破りの丘構成。
真夏の晴天の下で読むのにはうってつけ。
弱ってる人は気をつけろっ!!
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2005/08/19
漫画タイトル さ行
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