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「ビビを見た!」
『ビビを見た!』/ 大海 赫
ホタル、今から7時間だけ、お前の目を見えるようにしてやろう・・・
いきなりの上から目線!
そして頼んでもないのにしてやる!
という恩着せがましい口調から始まる、
盲目の少年ホタルの目が見えるようになってから7時間の物語。
大海 赫 節炸裂!の爽快感どころか、およそ児童書に望まれる、
薄ら寒い程の甘ったるい道徳やら正義やら眉唾モンの理想やらを、
一切! まるで目覚めちゃったブッダのように清々しいほど捨て去った、
世知辛い人の世を俯瞰で見る目線が、かなりスパイシー! TOO HOT!!な
ガキだろうがなんだろうが、いずれ迎える死を直視しろ!そして考えろ!
思考停止なんて糞!という激しめなテーマがサエテル、キレモノ本。
ホタルの目が見えるようになって、途端に周囲のホタル以外の生物の目が見えなくなり、
たとえば飼い猫のこいつも。
←しかしどうだ!このカワイクないぶり!
厳戒態勢が敷かれ、女子供は芋虫列車(←!)に乗って避難、
男は敵かすら謎ながらとりあえず敵と戦うため駅前に集合v(ってデートか!)
視力を失うという普段と違う事態に
パニックに陥った集団心理の恐怖と、
恐怖心を煽られプロパガンダに踊り、
仮想敵に憎悪を剥き出す集団ヒステリーの様相たるや
こんな直球でいいのか?ってなぐらい人間の醜悪さを垂れ流し。
みたまんま!不穏感が滲み出る、
薄暗ぁいパンチの効いた絵と相まって、
その薄ら寒さたるや、なまじのホラーより怖い。
まぁ人が死んだり、怪我したり、何やらわけわからん事が起こってる間に、
リミットの時間は刻々と迫ってきて、しかも、今までなら知らなかったのに、
知ってから奪い取られるというなんとも不条理な状況に
ホタルはもう 〜〜〜っっ!!ってなるけども、こんな事を仕掛けてきた謎の声の主への恨みや、
見えた事への喜び、そして取り上げられる事の苦痛を通過して、
最後に避難列車で知り合った緑色の美しい少女・ビビを目に焼き付けて、又まっ暗闇に。
最後こんな不条理すぎる出来事をそれでも咀嚼してつぶやいたのが
「ぼくだけがビビを見たんだ。」
重っ!
よかったね☆ホタル♪とかね、ギャグでも突っ込めねー!
つか、7時間っていうのは人の人生です。
ビビっていうのは美々で、人は死を意識してこそ生を意識でき、美に出会える。
っつー、著者の死生観に基づいたあとがきでのネタばらしも、
「神」についてのアンビバレンツな感情ダクダクで、コレマタヘヴィー!
こんな球、子供に投げるなんて・・・・ 真面目なんでしょうな。この人。
なんにせよ、コレは必読。
2007/03/09 本 Trackback() Comment(2)
COMMENT
- ギャハハ、言われてみれば足、ハエです!ライチ(ドカ食い)先輩!
ホントだ!虫だ!猫じゃねえ!(爆笑)
まぁ人も人か?と聞かれれば即答しかねるんだけど・・・
ってかねー、ビビとか触覚生えてて全身緑!美は主観だとしてもさー
それナメック星人じゃん! 神様じゃん!
とか、文字が黒に白抜きだとか、図書館で触っちゃったら
手を拭っちゃうような不穏感に満ち満ちた色々落ち着かない本です。
フフv捕まえてごらんYO☆ 待ってるヨ、ラ・イ・チ!
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無題
- ぅひぃ、またこれ、生理的嫌悪感にゾクゾクしながら読めそうな作品がw
飼い猫、え、それ、猫??虫みたいです、先生!!
足がどう見てもハエです、大先生!!
不快感が快感を生めそうです、探してきます。
なんだかタイトルすら、薄ら気持ち悪くてたまらんですv
ライチマン1号 2007/03/13 18:16 URL EDIT RES